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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひのとびら

火の扉

岸田 国士

Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「それがさ、あたしは、その自由ということを、もつとほかの意味にとるんですがね。軍人の妻として、以心伝心とでもいうか、あゝいう最期をとげた主人の心持ちは、ほんとなら、ちやんと……」

五

康子は、この言葉がチクリと胸を刺した。しかし、この老人を相手に、そのことでは何も言う気がしない。

「まあ、まあ、そこまでお母さんがおつしやる手はありませんよ。第一、そんなことはお母さんだつて望んではいらつしやらないでしよう。いや、ぼくが言いたいのはですよ、ねえさんは、ねえさんの解釈でその自由を求めていられるとしてですよ、それを、どういう程度に、どういう形で、お母さんがゆるされるか、ゆるすと言つちやまずいかな、つまり、認められるか、ということです。端的に言いますとね、ねえさんが今後も井出姓を名乗られるかどうか、これがひとつ。いずれにしても、ねえさんがほんとに自由になるために、モトムをどうするか、これがひとつ。これはねえさんの意志とは別に、お母さんの裁決が必要だと思うんです」

この義弟の、先まわりをした話の進め方には、康子も、すこし面くらつた。

「おや、お話がばかに急ですのね。