Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
――とはいえ、白河の激水に、夏侯惇、曹仁の輩を奔流の計にもてあそび、博望の谿間にその先鋒を焼き爛し、わが軍としては、退くも堂々、決して醜い潰走はしていません。――ただ当陽の野においては、みじめなる離散を一時体験しましたが、これとて、新野の百姓老幼数万のものが、君の徳を慕いまいらせ、陸続ついて来たために――一日の行程わずか十里、ついに江陵に入ることができなかった結果です。それもまた主君玄徳の仁愛を証するもので、恥なき敗戦とは意義が違う。むかし楚の項羽は戦うごとに勝ちながら、垓下の一敗に仆るるや、高祖に亡ぼされているでしょう。韓信は高祖に仕え、戦えど戦えど、ほとんど、勝ったためしのない大将であるが、最後の勝利は、ついに高祖のものとしたではありませんか。これ、大計というもので、いたずらに晴の場所で雄弁を誇り、局部的な勝敗をとって功を論じ、社稷百年の計を、坐議立談するが如き軽輩な人では、よく解することはできますまい」
ことばこそ爽かなれ、面こそ静かなれ、彼の態度は、微塵の卑下も卑屈もなかった。
四
張昭は沈黙した。さしもの彼も心を取りひしがれたような面持に見えた。