Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
ふと、帳を出て、夜の空を仰いでいると、中門のほうから歩廊へかけて、どやどやと一隊の兵が踏みこんできた。
「徐氏か」
先頭のひとりがいう。
見ると、刀を横たえた都督覧だった。
兵をうしろに残して、ずかずかと十歩ばかり進んでくると、
「夫人。あなたの良人孫翊は、こよい部下の辺洪のため、会館の門外で斬り殺された。――が下手人辺洪は、即座にひッ捕えて、市へひきだし首を打ち落して、讐を取った。――この※(「女+爲」、第4水準2-5-81)覧があなたに代って仇を打ってあげたのだ」
恩きせがましく、こういって、
「もう悲しまぬがよい。何事もこれからは、※(「女+爲」、第4水準2-5-81)覧がお力になってあげる。この※(「女+爲」、第4水準2-5-81)覧にご相談あるがよい」と、腕をとらえて、彼女の室へはいろうとした。
「…………」
徐氏は一時茫然としていたが、軽く、腕を払って、
「いまは、何も、ご相談を願うこともありません」
「では、また参ろう」
「人の眼もあります。月の末の――晦日にでも」
徐氏が涙を含まないのみか、むしろ媚すら見える眸に、※(「女+爲」、第4水準2-5-81)覧は独りうなずいて、