Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
「こは、思いがけないことを、あなたのお口から承るものだ。そもそも、呉の国業は、破虜将軍以来、ここに三代の基をかため、いまや完き強大を成しておる。この富強は、われわれ臣下の子孫をして、懦弱安穏をぬすむために、築かれてきたものではありますまい。一世堅君のご創業の苦心、二世策君の血みどろなご生涯。それによって建国されたこの呉の土を、むざむざ敵将操の手にまかしていいものでしょうか。汲々、一身の安全ばかり考えていていいでしょうか。それがしは思うだに髪の毛が逆立ちます」
「――が、百姓のため、また、呉のためであるなら仕方がないではないか。そうした三世にわたるわれわれの主家孫一門のご安泰を計ればどうしても」
「いやいやそれは、懦弱な輩のすぐ口にする口実です。長江の嶮に拠って、ひとたび恥を知り恩を知る呉の精猛が、一体となって、必死の防ぎに当れば、曹軍何者ぞや、寸土も呉の土を踏ませることではありません」
さっきから黙って傍らに聞いていた孔明は、ふたりが激越に云い争うのを見て、手を袖に入れ、何がおかしいのか、しきりと笑いこけていた。
四
周瑜は、孔明の無礼を咎めるような眼をして、敢てこう詰問った。