Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
「はて? ……先生のいうことは何だか戯れのように聞えるが」
「いや、実行してご覧あれば、その効果の覿面なのに、かならず驚かれましょう」
「二人の人間とは? ……いったい誰と誰を贈物にせよといわれるのか」
「女性です」
「女性?」
「星の数ほどある呉国の女のうちから、わずか二名をそれに用いることは、たとえば大樹の茂みから二葉の葉を落すよりやさしく、百千の倉廩から二粒の米を減らすより些少な犠牲でしょう。しかもそれによって、曹軍の鋭鋒を一転北方へかえすことができれば、こんな快事はないでしょう」
「ふたりの女性とは、そも、何処の何ものをさすのか、はやくそれを云ってみたまえ」
「まだ自分が隆中に閑居していた頃のことですが――当時、曹軍の北伐にあたって、戦乱の地から移ってきた知人のはなしに、曹操は河北の平定後、河のほとりに楼台を築いて、これを銅雀台と名づけ、造営落工までの費え千余日、まことに前代未聞の壮観であるといっておりましたが……」
孔明は容易に話の中心に触れなかったが、しかも何か聴き人の心をつかんでいた。
五
「曹操ほどな英傑も、やはり人間は遂に人間的な弱点におち入りやすいものとみえます。