Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
誤って、みだりに無用な舌の根をうごかし、罪、死にあたいします」
と、孔明は打ち慄えて見せながら平あやまりに詫び入った。周瑜は、かさねて、
「いや、先生に罪はない。先生のいう巷の風説だけならまだ信じないかも知れぬが、銅雀台の賦にまで歌っている以上、曹操もそれを公然と揚言しているのであろう。いかで彼の野望に先君の後室や、わが妻を贄に供されよう。破邪の旗、膺懲の剣、われに百千の水軍あり、強兵肥馬あり、誓って、彼を撃砕せずにはおかん」
「――が、提督、古人もいっております。事を行うには三度よく思えと」
「いやいや、三度はおろか、きょうは終日、戦わんか、忍ばんか、幾十度、沈思黙考をかさねていたかしれないのだ。――自分の決意はもううごかない。思うに、身不肖ながら、先君の遺言と大託をうけ、今日、呉の水軍総都督たり。今日までの修練研磨も何のためか。断じて、曹操ごときに、身を屈めて降伏することはできない」
「しかし、ここから柴桑へ帰った諸官の者は、口を揃えて、周提督は、すでに和平の肚ぐみなりと、諸人のあいだに唱えていますが」
「彼ら、懦弱な輩に、何で本心を打明けよう。仔細は輿論のうごきを察しるためにほかならない。