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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ偶然、蔡和、蔡仲のふたりが入ってきた。甘寧が、※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢へ眼くばせしたので、※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢も甘寧のこころを覚った。

――で、わざと不興げに、

「近ごろは、事ごとに、愉快な日は一日もない。周都督の才智は、われわれだって充分に尊敬しているが、それに驕って、人をみな塵か芥のように見るのは実によくない」

と、独り鬱憤をつぶやきだすと、甘寧もうまく相槌を打って、

「また何かあったのか、どうも軍の中枢で、そう毎日紛争があっちゃ困るな」

「ただ議論の争いならいいが、周都督ときては、口汚なく、衆人稠坐の中で、人を辱めるから怪しからん。……不愉快だ。実に、我慢がならぬ」

と、唇を噛んで憤りをもらしかけたが、ふと一方にたたずんでいる蔡和、蔡仲のふたりを、じろと眼の隅から見て、急に口をつぐみ、

「……甘寧。ちょっと、顔をかしてくれないか」

と、彼の耳へささやき、わざと隣室へ伴って行った。

蔡和と蔡仲は、黙って、眼と眼を見合わせていた。

二

その後も、沢と甘寧は、たびたび人のない所で密会していた。

或る夕、囲いの中で、また二人がひそひそささやいていた。