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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

何で、おくれをとりましょうや」

と、武者ぶるいしながら、各※(二の字点、1-2-22)杯の満をひいた。

酔いが発すると、曹操は、久しく眠っていた彼らしい情感と熱とを、ありありと眸に燃やしながら、

「みな、彼方を見ないか」

と、呉の国の水天を指さした。

「――あわれむべし、周瑜も魯粛も、天の時を知らず、運の尽きるを知らぬ。彼らの陣中からひそかに予に気脈を通じて来おる者すらある。そうしてすでに呉軍の内輪に心腹の病を呈しておるのだ。いかでわが水陸軍の一撃に完膚あらんや」

曹操は、なおいった。

「これ、天の我を扶くるものである」

と、もちろん彼は士気を鼓舞激励するつもりでいったのである。

が、そばにいた荀攸は、酔をさまして、

「丞相丞相。めったに、さようなことは、お口にはしないものです」

と、そっと袖をひいて諫めた。

曹操は、呵々と肩をゆすぶって、

「この一船中にあるものは、みな予の股肱の臣たらざるはない。舷外は滔々の水、どこに異端の耳があろうぞ」と、気にとめる風もなかった。

二

興は尽きない。曹操の多感多情はうごいて止まないらしい。彼はまた、上流夏口のほうを望みながら云った。