Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
四
ご辺の性情として、かならず、旧恩に動かされ、彼の窮地に同情して、放し免すにちがいない」
「何の! それは軍師の余りな思い過ぎである。以前の恩は恩として、すでに曹操には報じてある。かつて彼の陣を借り、顔良、文醜などを斬り白馬の重囲を蹴ちらして彼の頽勢を盛り返したなど――その報恩としてやったものでござる。なんで、今日ふたたび彼を見のがすべきや、ぜひ、関羽をお向け下さい。万一、私心に動かされたりなどしたらいさぎよく軍法に服しましょう」
四
関羽の切なることばを傍らで聞いていた玄徳は、彼の立場を気の毒に思ったか、孔明に向って、
「いや、軍師の案じられるのも理由なきことではないが、この大戦に当って、関羽ともある者が、留守を命じられていたと聞えては、世上へも部内へも面目が立つまい。どうか、一手の軍勢をさずけ、関羽にも一戦場を与えられたい」と、取りなした。
孔明は、是非ない顔して、
「然らば、万一にも、軍命を怠ることあらば、いかなる罪にも伏すべしという誓紙を差出されい」と、いった。
関羽は、即座に、誓文を認めて軍師の手許へさし出したが、なお心外にたえない面持を眉に残して、