Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
とんでもない。呉が荊州を併呑せんと望んでいたことは実に久しいものです。いま、南郡はすでに、呉の掌にあるものを、決して、ご心配下さるに及ばん」
「けれど、世の諺にも、掌中ノモノ必ズシモ掌中ノ物ナラズ――ということもあります。曹操が残して行った曹仁は北国の万夫不当。おそらく周都督のお手にはやすやすと落ちないのではないかと案じられますが」
周瑜は、眉のあいだに、憤然と憤炎をあらわしたが、すぐ皮肉な嘲笑にそれを代えて、
「もし、それがしの手に奪れなかったら、あなたの手で奪ったらよかろう」
「ほ。そうですか。それはかたじけない。――ここには、魯粛、孔明という生き証人もいること、都督の今のおことばをよく聞いておいてもらいたい」
「大丈夫の一言、何の、証人などが要ろう」
「あとでご後悔はありますまいな」
「ばかな」
周瑜は、一杯を干して、また一笑した。
そのそばから孔明はこういって、旺に、周瑜の言を賞めあげた。
「さすがに、周都督の一言は、呉の大国たる貫禄を示すに余りある公論というものです。荊州の地は、当然まず呉軍からお攻めあるのがほんとです。そして万が一にも、呉の手にあまったときは、劉皇叔が試みにそれを攻め取ってみられるがよいでしょう」