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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

二

孔明は、細論して余すところなかった。かくその抱負を人に語ったのは、おそらく今日が初めてであろう。

二

孔明の力説するところは、平常の彼の持論たる

=支那三分の計=であった。

一体、わが大陸は広すぎる。故に、常にどこかで騒乱があり、一波万波をよび、全土の禍いとなる。

これを統一するは容易でない。いわんや、今日においてはである。

いま、北に曹操があり、南に孫権ありとするも、荊州、益州の西蜀五十四州は、まだ定まっていない。

ちと、遅まきながら、起つならば、この地方しかない。

北に拠った曹操は、すなわち天の時を得たものであり、南の孫権は、地の利を占めているといえよう。将軍はよろしく人の和をもって、それに鼎足の象をとり、もって、天下三分の大気運を興すべきである――と、孔明は説くのであった。

玄徳は、思わず膝を打って、

「先生の所説を伺い、何かにわかに、雲霧をひらいて、この大陸の隈なき果てまで、一望に大観されてきたような心地がします。益州の精兵を養って、秦川に出る。ああ、今までは、夢想もしていなかった……」と、その眸は、将来の希望と理想に、はや燃えるようだった。