Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
――すると、多くの蜂が当然、甘い蜜の香をかいで、驪姫の髪や襟元へむらがってきました。……あなやと、なにも知らない申生は驪姫の身をかばいながらその襟を打ったり背を払ったりしました。楼上から見ていた献公はそれを眺めて、怖しく憤りました。驪姫にたわむれたものと疑ったのです。――以来申生を憎むことふかく、年々に子を邪推するようになりました」
「ああ。……蔡夫人もそんな風です。いつかしら、理由なく、私も父の劉表にはうとんじられておりまする」
「一策が成功すると、驪姫の悪は勇気づいて、また一つの悪策をたくらみました。先后の祭のときです。驪姫はそっと供え物に、毒を秘めておいて、後、申生にいうには母上のお供え物を、そのまま厨房にさげてはもったいない。父君におすすめなさいと。申生は驪姫にいわるるまま父の献公へそれをすすめた。ところへ驪姫が入ってきて、外からきた食物を試みず召上がってはいけません――そういって一箇を犬へ投げ与えた。犬は立ちどころに血を吐いて死んだ。献公はうまうま驪姫の手にのって申生を殺してしまわれた」
「ああ、そして弟の重耳のほうは、どうしましたか」
「次には、わが身へくる禍いと重耳は未然に知りましたから、他国へ走って、身をかくしました。