Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
「玄徳の行方は如何に」
「夫人はどこにおらるるか」
見れば、呉の蒋欽。またもう一人は周泰である。
面目なげに、陳武が云った。
「だめです……どうも」
「何がだめだ?」
「追いついて捕えんとしましたが、夫人がいうには、母公のおゆるしをうけて城を出たのだから、母公のおいいつけでなければ帰らぬと仰せられます」
「何の。口巧者な。な、なぜいわん。こちらは呉侯の厳命であるぞ」
「呉侯はわが兄。兄妹の間のことを、臣下の分際で、何を差出がましくいうぞとのみ、お耳にかけるふうもありません」
「えい、そんなことで、どうして追手の任が果せるか。かくなる上は、玄徳も、また主君の御妹たりとも、首にしてしまうまでのこと。見よ。この通り、仮借すなとて、主君孫権には、お手ずから我らに剣をおあずけになった!」
「やっ。御剣ですか」
「知れたこと。――思うに玄徳の一行は大半が徒歩武者、馬を飛ばせば、ふたたびまたたく間に追いつこう。徐盛、丁奉のふたりは、早々先へはせ廻って周瑜都督にこの由を告げ、水上より早舟を下して江岸江上をふさがれい。われら四人は、陸路を追い詰め、かならず柴桑の附近において彼奴らをことごとく網中の魚とするであろう」