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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

「皇叔、皇叔……。さのみ嘆き給いそ。私と孔明とで、何か良い思案をめぐらしますから」

魯粛が、情にうごいた容子を見て、孔明はここぞと、共に情をこめて玄徳へいった。

「わが君、そのようにご悲嘆ありましては、遂には、心身をそこねましょう。万事は魯粛どのの仁侠と義心にお頼みあそばして、心をひろくお持ち下さい。――また粛公には、呉侯に対して皇叔がこのように苦衷しておられる仔細を、何とぞよろしきように、お伝え給われ。よも、呉侯とて、お怒りはなさるまい」

魯粛は、急に我にかえって、大げさに手を振りながら、

「待って下さい。またしても、むなしく、そんなご返事をもたらして帰ったら、今度こそ呉侯も、どうおっしゃるか分りません」

「いやいや、すでにご自分の妹君を娶合せられた呉侯が、その婿たるお方のかくばかりな苦境をば、何とて他に見ましょうぞ。臣下に対して、表向き、きびしく約束の履行をおっしゃるでしょうが、本心からご立腹なさるわけはありません」

温厚寛仁な魯粛は、そういわれると、とかくの議論にも及ばず、ただ玄徳の立場に同情し、ひいては主君の意思の裏にも、一片の情けはある筈だと思いこんでしまった。