Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
五
「深入りは危険です。趙雲の逃げぶりを見ると、取って返して誘い、誘ってはまた逃げだす様子、伏兵があるにちがいありません」
「何を、ばかな」
夏侯惇は一笑に付して、
「伏勢があれば伏勢を蹴ちらすまでだ、これしきの敵、たとえ十面埋伏の中を行くとも、なんの恐るるに足るものか。――ただ追い詰め追い詰め討ちくずせ」
かくて、いつか彼は博望の坡を踏んでいた。
すると果たして、鉄砲のとどろきと共に、金鼓の声、矢風の音が鳴りはためいた。旗を見れば玄徳の一陣である。夏侯惇は大いに笑って、
「これがすなわち、敵の伏勢というものだろう。小ざかしき虫けらども、いでひと破りに」
と、云い放って、その奮迅に拍車をかけた。
気負いぬいた彼の麾下は、その夜のうちにも新野へ迫って、一挙に敵の本拠を抜いてしまうばかりな勢いだった。
玄徳は一軍を率いて、力闘につとめたが、もとより孔明から授けられた計のあること、防ぎかねた態をして、たちまち趙雲とひとつになって潰走しだした。
五
いつか陽は没して、霧のような蒸雲のうえに、月の光がかすかだった。
「おうーいっ、于禁。おういっ――しばらく待て」
うしろで呼ばわる声に、馬に鞭打って先へ急いでいた于禁は、