Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
密談などした覚えはない。また軍事については、爪の垢ほども、語りはしません」
「いや、貴公が云いださなくとも、曹操のほうから何か」
「少年時代、共に都にあった事どもを、二、三話して別れただけです」
「そうか。そんなに古くから、彼とは、親しい仲であられたのか」
馬超は、嫉ましげな眸をした。が、韓遂は、まったく、何の後ろ暗いこともないので、笑い話をして帰った。
ひそやかな、陣中の一房へ、曹操はその晩、賈を呼びよせていた。
「どう見えた。きょうの計は」
「妙趣、ご奇想天外です」
「西涼兵の眼に、映ったろうな」
「もちろん、もう馬超の耳へ入っておりましょう。が、もう一つ足りません。あれでは、まだ韓遂を、心から疑わせるまでには行きますまい」
「それには、どうしたらよいか」
「丞相からもう一度、親書を韓遂にあててお書きなさい」
「そうそう、用もないのに、書簡をやるのもおかしかろう」
「かまいません。文章をもって、相手を動かすのが目的ではありませんから。――文字などもわざと朧にしたため、肝要らしい所は、思わせぶりに、失筆で塗りつぶし、また削り改めたりなどして、一見、おそろしく複雑で重要そうに見えさえすればよろしいのです」