Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
弦音とともに、馬超は馬の背に屈みこんだので、矢はぴゅんと、それていった。
皮肉にも、そのそれ矢は、李湛の背にあたって、李湛は馬から落ちて死んだ。
馬超は、わき目もふらず、于禁の人数へ馳け入った。そしてさんざんに敵を蹴ちらし、渭水の橋の上に立って、ほっと大息をついていた。
夜は更け、やがて夜が明けそめる。
馬超は橋上に陣取って、味方の集合を待っていたが、やがて集まって来たのは、ことごとく敵兵の声と敵の射る箭ばかりだった。
橋畔の敵勢は、刻々と水嵩を増す大河のように、囲みを厚くするばかりである。かくてはと、馬超は幾度も橋上から奮迅して、敵の大軍へ突撃を試みたが、そのたびに、五体の手傷をふやして、空しくまた、橋上に引っ返すほかなかった。
のみならず、左右の部下は、ふたたび橋の上に帰らず、或る者は矢にあたって、ばたばた目の前に仆れてゆくので、
「ここで立往生を遂げるくらいなら、もう一度、最後の猛突破を試み、首尾よく重囲を斬り破れば、一方へ拠って再挙を計ろう。またもしそれも成らずに斃れるまでも、ここで満身に矢をうけて空しく死ぬよりまだ増しだぞ」
残る面々をうち励まして、わうっと、猛牛が火を負って狂い奔るように、馬超はふたたび橋上を馳け出した。