Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
四
曹操の人物を見るに及んでも、その軍隊の教練を見ても、事大主義で恫喝的で、私はいたずらに、反感をそそられるばかりでした。――思うに、将来久しからずして、彼曹操かならず漢朝に大きな禍いをするでしょう。……皇叔、決して、おだてるのではありません。媚るのでもありません。どうかご自重、また大志を抱き、かつ天下万民のため、小義にとらわれないで下さい」
張松は従者を呼んだ。
そして馬の背の荷物のうちから一箇の筥を取寄せた。
蓋を開いて、これを展じれば、千山万水、峨々たる山道、沃野都市部落、一望のうちに観ることができる。すなわち、彼が蜀を立つときから携え歩いていた「西蜀四十一州図」の一巻だった。
四
「ごらんなさい。蜀の図です」
「ああ。これは精密なもの。行程の遠近、地形の高低、山川の険要、府庫、銭粮、戸数にいたるまで……まるでいながら観るようである」
玄徳は眸を離さなかった。
「皇叔。速やかに思し召をここに立て給え」と張松はそばから熱心に彼の意をふるい促した。
「――私に深く交わる心友がふたりいます。法正、字は孝直。もう一名は孟達、字を子慶といいます。他日、そのふたりが訪ねて参ったときは、諸事わたくし同様に、ご相談あっても、たしかな人物ですから、どうかご記憶にとめておいて下さい」