Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
どうもその兵力のほどは察しきれませんが……」
許は、その報を、受けるやいな、自身、当って見ると称して、手勢三千を率いて、深々と前進してみた。
鬱蒼とした峰々、岩々たる山やその尾根、地形は複雑で、容易に敵の態を見とどけることができない。しかし、たちまち一つの峰で、颯々と、紅の旗がうごいた。
「あ。あれだな」
凝視していると、また、後ろの山の肩で、しきりに青い旗を打ち振っているのが見える。何さま信号でも交わしている様子である。許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は迷った。
山気は森として、鳴りをしずめている敵の陣容の深さを想わせる。――これはうかつにかかるべきでないと考えたので、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、味方の者に、
「決して手出しするな」と、かたく戒め、ひとり駒を引返して、曹仁に告げ、指令を仰いだ。
曹仁は一笑に付して、
「きょうの進撃は、このたびの序戦ゆえ、誰も大事を取るであろうが、それにしても、常の貴公らしくもない二の足ではないか。兵に虚実あり、実と見せて虚、虚と見せて実。いま聞く紅旗青旗のことなども、見よがしに、敵の打ち振るのは、すなわち、我をして疑わしめんがためにちがいない。