Japanische Klassiker mit Furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
「いやご丁寧なる詫びで痛み入る。身共こそ狼藉者の片割れかと存じて、抜刀を向けた慌てようは面目ござらぬ」
「して、ここに無残なご最期を遂げられているお方は?」
「同門の友でござるが、何ら怨みを受くべきいわれもなく、不意にあの堤の上から投げ槍を飛ばしてただ一突きに殺られました。拙者へは同時に二人の曲者が迫って参りましたが、今思い合せると、貴殿が遠くから呼ばわった声を聞いて、さては助太刀が参ったかと愕き、急に逃げ去ったものでござろう」
新九郎は、前に人違いと知って失望したが、今は人違いに感謝しなければならなくなった。
投げ槍の使いてはたしかに西塔小六。一人は悪に繋がる大月玄蕃、その魂胆のあるところは、察知するに難くない。
「承れば、このお人こそお気の毒千万、実は貴殿に狼藉いたした者こそ、拙者の兄ともう一人をここに待ち伏せ致しおった曲者に相違なく、同じ普化僧のお姿ゆえ、てッきりそれと見違えたものでござろう。何卒不慮の禍いと思し召されて、おゆるし願いとう存じます」
「いやいや、これは全く宿命でござる。今思い合せても、奇異な心地が致しますが、打ち明けてお話し申せば、今日の昼、この先の不動院で拙者と同宗の二人の者に出合い、ややしばらく打ち解け話をしながら、不動院の縁に四人で腰かけていたことでござった」