Japanische Klassiker mit Furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
ところへ、町をぶらついて来た一人の乾分が、思いがけない味方を引き込んで来た。それは、投げ槍の小六、大月玄蕃、金井一角の三人、お延も一緒についていた。
この四人は、浅草火除け地の賭試合の小屋を立ち退いた後、奥州街道で春日重蔵を返り討ちにしようとしたが、人違いだったので、そのまま旅から旅の漂泊を重ね、中仙道を経て、四国西国で賭試合の小屋がけをつづけ、各所で得た悪銭を懐にして、もう余熱も醒めた頃と、再び江戸へ帰ってくる途中であった。
「江戸へ帰ったら、生不動の縄張を譲って、一方の親分株を持たせるから、一つ俺たちに腕を貸してくんねえか」
臂の久八は事情を話して話を持ち込んだ。身を持ちくずした遊侠武士には、持って来いの仕事である。小六も玄蕃もすぐ引きうけた。金井一角は元からの用心棒、何の否やもなく密議はまとまった。
それから十日ほど後、江戸に残っていたこんがらとせいたかは、石薬師の宿役人から意外な悲報を受け取って東海道を急いだ。そして、宿手前の杖つき峠の山中に惨殺されていた親分の与兵衛と駒吉百介の死骸とを渡されたのである。生不動の死骸には、胸板を見事に突き抜かれていた槍傷があった。