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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

新九郎の抱いていたすべての疑惑はこれで氷解した。

が――まだ一つ残っているものがある。それは離亭に匿われている修験武芸者の覚明である。あれと御方とはどういう関係なのだろうか? それを問い訊して行くと、さすがの御方もややろうばいの態を見せたけれど、すぐ妖艶な笑みにその色を隠してしまった。

「ではお前様は、いつかあの男のいるのを垣のぞきなされてじゃな」

「いかにも見受けました。彼奴こそ、大円鏡智流の戒刀を使う聖護院の覚明と申すやつ」

と新九郎もきッぱり云って御方の瞳をみつめた。

「や、どうしてそれまでのことをお知りなされているのじゃ」

「いや、それより御方と何のご縁故でござるか、まずもって先に承り申そう」

彼も容易に糾問の緒口を逃がさなかった。御方は新九郎がやや嫉妬めいて、ここまで口を衝いて来たのを、思う壺まで手繰り得たものとして、

「どこまでそれをお知り遊ばしたいのでございますか?」

と澄んだる水の如く云った。

「おお知らいでは都合の悪いことでござるゆえ」

「それは?」

「彼奴へ果し合いを申し込む所存!」

と新九郎は早口に、彼のため忘るべからざる辱しめを受けている仔細を話し、