Japanische Klassiker mit Furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
二
「大丈夫でござるか、宜しゅうござるか」
と家士たちは、紫色にわななく重蔵の唇を見て、悲涙を泛かめながら訊き返した。忠房は見るに堪えぬ面持で、
「定めし苦痛であろう。一刻も早く福知山へ送り遣わせて、充分な手当を致せ」
「はッ」
と近侍はすぐ足軽に担架の仕度を命じた。忠房はその間に、典医から怪我の容態を聞き取った。その答えによると、強敵自斎の木剣のために、右足の関節骨をしたたかに打ち砕かれているとのことであった。
夕雲に染めなされた由良の血河は、秋ではないが蕭々に感じられて、間もなく春日重蔵は足軽の担架に乗せられてそこを出た――一行の壮士に涙ない者はなかった。五丈原頭孔明の喪を秘して潰走した蜀兵の哀寂と同じものが、一同の胸へこみ上げてくるのだった。
――その途中のことである。恋の陶酔に他念のなかった新九郎と千浪が、辻堂の縁から転び下りて、この酸鼻な生ける葬式に邂逅したのは。
二
この二、三日、丹後宮津の町は祭りのような騒ぎであった。藩では橋立の文珠閣で勝ち試合の恩賞と祝いさえした。
ところが、ここに惨めな者は、かの大月玄蕃で、当日の不首尾から閉門を申しつけられ、その上、数日後になって「武芸未熟の廉を以って指南番を免役」