Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
子供の祭る神
子供の祭る神
村の子供たちと親しみの深かったのは、何と言っても石地蔵が一番であった。地蔵さんは顔形も子供と近く、いつも目を伏せて静かに彼等のすることを視ているようなので、みんなその下へ来て常に遊んだ。秋の始めの二十四日などは、地蔵盆といって子供のための祭であった。児を愛する人たちもこれをよく記憶していて、喜びにつけ悲しみにつけ、始終地蔵さんの前に来て、いろいろの願いごとをしては拝んでいた。それで地蔵は子供の保護者であるように、我国だけでは信じられるようになったのである。
しかしその役目は、もとは決して地蔵さんには限られていなかった。道祖神はまたサエノカミともいっているが、これもその祭をいとなむとすれば、祭り手は多くは子供であった。正月の十五日、または二月十月の月半ばなどに、藁で作った馬に餅団子の苞を背負わせて、それをこの神の石像の前へ子供に持って行って供えさせる。子供はそれをさし上げておいてから、前に供えてあるものを食べて還って来る村もある。
家に丈夫なよい児の生まれるように、願掛けをする信仰もまだ残っている。または生まれた児を道祖神の辻へ連れて行って、路を通る人に名を付けてもらったり、形だけその人の子にしてもらったりするような、珍しい風習も近頃まであった。