Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme
彼女は、ひざをつくといつしよにたずねた。
「どこつて、そいつは想像にまかせるよ。だが、べつに見舞に来てくれたわけじやないんだろう。正木にことずけたとおり、急に君の耳にいれたいことがあつてね。どうも、こうしてちや手紙は書けんし、……ところで、君、新聞みてるかい、ずつと……?」
「新聞? えゝ、たいがいみてるわ。どうして? なにか出てた?」
もうそれだけで、彼女には、見当がついた。
「あやしいもんだなあ、君の新聞の見かたは……」
と、彼は、まくらもとにある新聞の一枚をとつて彼女の方にさしだした。
「あんまりいゝニュースでもないが、君が知らずにいる法はないからなあ。わかつたかい? それでひとまずはつきりしたわけだ」
吸いこまれるように活字に見入つている彼女の方へ、尾関は言う。
しかし、彼女には、まだ、その見出しがみつからないのである。手がふるえるのをどうしようもない。
「どこよ、どこ?」
と、彼女は、ひざをのりだす。尾関は、その新聞の一ぐうをこゝと指して教える。
マレイにおける戦争裁判の記事が小さく出ている。それは、ふ虜虐待の証拠があがり、戦犯容疑者として、近く法廷の裁きをうける十数名の日本軍人の名前が記されているのである。