Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme
ちつともご心配はいりません」
「なるほど、そういうもんか。やつぱり自然が本当なんだな」
と、市ノ瀬牧人は感心する。
あきざらに骨をうず高く積んで、食事がおわる。
「あゝ、おいしかつた。トムちやんはウサギなんてはじめてね。どう? この味をよくおぼえとくといゝわ」
それから、市ノ瀬牧人の「イカモノ」を食つた話になり、彼女は、とき/″\まゆをよせる。が、しまいに、
「もういゝわ、そのお話は……。よくあることだけど、へんよ、すこし、男のひとの悪食趣味つて……。どこまで行くかわからないから、いや、あたし……」
やんわりとたしなめられたかたちで、市ノ瀬牧人は頭をかくまねをする。
「でも、そいつが、戦争中、ところによつちや、やくに立つたと思うんですがねえ」
と、おそる/\抗議をしてみる。
「やくに立つたでしよう。いく日か生きのびるためにはね。でも、ことによると……。もう、よすわ。さつき、この上にたきがあるつておつしやらなかつた? 近いの? 遠いの?」
急に話をそらした彼女の問いに、市ノ瀬牧人は、ちよつと、面くらいながら、
「は? たきですか? いや、すぐそこですよ。見に行きますか?」