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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひのとびら

火の扉

岸田 国士

Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「お連れがおありになるの?」

「えゝ、わたしたち三人……」

見ると、なるほど、そのそばに背中を丸めて居眠りをしている二人の女がいた。いづれも二十そこそこの小ぎれいな娘たちである。

「感心ね。おくには?」

「みんな違うん」

と、あとはふくみ笑いでまぎらしてしまう。いずれはこびを売るたぐいの女たちであろうと、康子は察した。しかし、彼女の心はちつとも痛まなかつた。

三

なんというおそれを知らぬ娘たちであろう。たとえそれが表面の自由さにしても、好むがまゝを振舞つて悔いないようにみえる彼女らの生活は、いつたい、どんな信念と希望とで支えられているのか? 康子は、薄暗い光のなかで、いま口をきいた相手の風ていを見直した。いくぶんはすさんだところもみえなくはない。しかし、娘らしい心づかいが田舎じみた衣しようのはし/″\にもみえてあらい手織りじまのモンペがよく似合うのも、ほゝえましかつた。

「樺太はそんなにいゝところ?」

と、康子が、こんどは口を切つた。

「ふん、ほかを知らずにそう思うのかも知れないけど、内地へ帰つてみて、あんまり居心地がよくないもんで……」

「今はことにね。北海道はよくご存じ?」