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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひのとびら

火の扉

岸田 国士

Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

を示しはしたが、それでも、「なんとか方法はなかつたかなあ」と、ひとり言のようにつぶやいたりしたものである。

ところで、彼女は、その後、思いがけない時機に、例の中園三郎から一通の手紙を受けとつた。北海道稚内うんぬんというところがきである。

手紙の文面は、まず夫一徳の自殺の記事を新聞で見たことからはじまり、辰野の駅で別れてから、早速東京でH工しようを訪ね、一徳に会い、それとなくその問題に触れてみたのだけれども、全然そういうけはいはみせず、とりつく島がなかつたこと、しまいに、かなり鋭くつゝこんだつもりだが、あべこべに、こつちが激励されるという羽目になり、思いきつて、奥さんから聞いたとまでぶちまけて、手をつくようにして翻意を求めると、それはたゞ女房をおどかしたまでのことだと笑つて相手にしてくれず、自分もなにがなんだかわからなくなつて、そのまゝ引さがつたこと、しかるに、今日、事実が事実となつて公表されてみると、自分の力がまことに無にひとしかつたことがわかり、ざんきにたえないこと、おそらくあの場合、奥さんの希望が数ならぬ自分一人にかけられていたのではないかと思うと、自分の不がいなさが痛感されるばかりでなく、またひとつ生がいに償うことのできない罪を負わねばならぬことを自覚し、そのために日夜煩もんしていること、早速おそば