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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

その人も、凝然と、彼を見まもった。

これなん、呉の参謀、孫権が重臣、そして孔明にとって実の兄たる諸葛瑾であった。

久しいかな、兄弟相距ち、また相会うこと。

幼い者が手をつなぎあって、老いたる従者や継母などと一緒に、遠く山東の空から南へ流れ流れて来た頃の、あの時代のお互いのすがたや、惨風悲雨の中にあった家庭のさまが、瞬間、ふたりの胸にはこみあげるように思い出されていたにちがいない。

「亮。この国へ見えられたか」

「主命をおびてまかり越しました」

「見ちがえる程になった」

「家兄にも……」

「呉へ来たなら、なぜ早く、わしの邸へ訪ねてくれなかったか。旅舎からちょっと沙汰でもしてくれればよかったのに」

「このたびの下江は、劉予州のお使いとして来ましたので、わたくしの事は、すべて後にと控えていました。ご賢察くださいまし」

「それも道理。――いやいずれ後でゆるりと会おう。呉君にもお待ちかねであらせられる」

諸葛瑾は、呉の臣に返って、うやうやしく賓客を通し、飄として、立ち去った。

豪壮華麗な大堂がやがて孔明の目前にあった。珠欄玉階、彼の裳は、一歩一歩のぼってゆく。

やおら身を掻い起して、それへ立ち迎えに出てきたのは、呉主孫権であるこというまでもない。