Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

「弱者がかえって強者を仆す。これは、天の時でしょうか。地の利にありましょうか」

「人の力――思想、経営、作戦、人望、あらゆる人の力によるところも多大です。その曹操は、いまや中原に臨んで、天子をさしはさみ、諸侯に令して、軍、政二つながら完きを得、勢い旭日のごときものがあり、これと鉾を争うことは、けだし容易ではありません。――いや。もう今日となっては、彼と争うことはできないといっても過言ではありますまい」

「……ああ。時はすでに、去ったでしょうか」

「いや。なおここで、江南から江東地方をみる要があります。ここは孫権の地で、呉主すでに三世を歴しており、国は嶮岨で、海山の産に富み、人民は悦服して、賢能の臣下多く、地盤まったく定まっております。――故に、呉の力は、それを外交的に自己の力とすることは不可能ではないにしても、これを敗って奪ることはできません」

「むむ。いかにも」

「――こうみてまいると、いまや天下は、曹操と孫権とに二分されて、南北いずれへも驥足を伸ばすことができないように考えられますが……しかしです……唯ここにまだ両者の勢力のいずれにも属していない所があります。