Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
罵るやいな、甘寧は自身、石弩の弦を引きしぼって、ぶんと放った。
数箇の石弾は、うなりを立てて飛んで行ったが、その一弾が、蔡薫の面をつぶした。あっと、両手で顔をおおったとき、また一本の矢が、蔡薫の首すじに突っ立ち、姿は真逆さまに、舳を噛む狂瀾の中に呑まれていた。
まだ舷々相摩しもせぬ戦の真先に、弟を討たれて、蔡瑁は心頭に怒気を燃やし、一気に呉の船列を粉砕せよと声をからして、将楼から号令した。
靄はようやくはれて、両軍数千の船は、陣々入り乱れながらも、一艘もあまさず見ることができる。真赤に昇り出ずる陽と反対に、大江の水は逆巻き、咬みあう黒波白浪、さけびあう疾風飛沫、物すさまじい狂濤石矢の大血戦はここに展開された。
蔡瑁を乗せている旗艦を中心として、一隊の縦隊船列は、深く呉軍の中へ進んで行ったが、これは水戦にくらい魏軍の主力を、巧みに呉の甘寧が、味方の包囲形のうちに誘い入れたものであった。
頃を計ると――
たちまち、左岸から韓当の一船隊、右岸から蒋欽の一船群、ふた手に、白い水脈をひきながら、敵の主力を捕捉し、ほとんど、前後左右から、鉄箭石弾の烈風を見舞った。