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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

厚い藁と布をもって包まれた船腹船楼には、ほとんど、船体が見えないほど、敵の射た矢が立っていた。

「計られたり!」

と、あとでは曹操も気がついたのであろう、無数の軽舸をもって追撃させたが、孔明はさっそくゆうべから無数に獲た矢をもって射返した。しかも水は急なり、順風は帆を扶けて、たちまち、相距つこと二十余里、空しく魏船は、それを見送ってしまった。

「どうです粛兄。このたくさんな矢が、数えきれますか」

孔明は、魯粛に話しかけた。――魯粛はゆうべから孔明の智謀をさとって、今はまったく、その神算鬼謀に、ただただ舌を巻いて心服するのみだった。

「とうてい、数えきれるものではありません。先生が三日のうちに、十万の矢をつくらんと約されたのは、つまりこのことでしたか」

「そうです。工匠を集めて、これだけのものをつくろうとすれば、十日でもむずかしいでしょう。なぜならば、周都督が工人どもの精励をわざと妨げるからです。――都督の目的は、矢を獲るよりは、孔明の生命を得んとなされているのですからな」

「あ、あ。それまでご存じでしたか」

「鳥獣すら殺手をのばせば、未然に感得して逃げるではありませんか。