Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
と、孔明は初めて、周瑜の心に、計のあることに違いないと、自分の考えを解いて聞かせた。
「蔡和、蔡仲の降参は、あきらかに詐術です。なんとなれば、妻子は江北に残しておる。周都督も、それはすぐ観破されたに相違ないが、互いに江をへだてて、両軍とも戦いによき手がかりもないところ――これは絶好の囮と、わざと、彼の計に乗った顔して、実はこちらの計略に用いようと深く企んでおられるものと考えられる」
「ああ、なるほど!」
「どうです、ご自身でも笑いたくなりはしませんか」
「いや笑えません。どうしてそれがしは、こう人の心を見るに鈍なのでしょう。むしろ己れの不敏に哀れを催します」と、深く悟って帰った。
その夜、呉陣第一の老将黄蓋が、先手の陣からそっと本営を訪ねて来て、周瑜と密談していた。
黄蓋は孫堅以来、三代呉に仕えてきた功臣である。白雪の眉、烱々たる眸、なお壮者をしのぐものがあった。
「深夜、お訪ねしたのは、余の儀でもないが、かく対陣の長びくうちに、曹操はいよいよ北岸の要寨をかため、その船手の勢は、日々調練を積んで、いよいよ彼の精鋭は強化されるばかりとなろう。しかのみならず、彼は大軍、味方は寡兵、これを以て、彼を討つには火計のほかに兵術はないと思う。