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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

――が、さすがに一かどの者、端然と、階下に座をとり、すこしも周囲の威圧に動じるふうも見えなかった。

曹操も厳かにいう。

「汝は、敵国の参謀官とか聞いたが、何を血迷うて、予の陣営へ来たか」

「…………」

黙然と、見つめていたが、やがて※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢は、ふふふふと、唇を抑えて失笑した。

「見ると聞くとは大きな違い。曹丞相は、賢を愛し、人材を求むること、旱に雲霓を望むごとしと、世評には聞いていたが……。いやはや……これでは覚束ない。――ああ黄蓋も人を知らずじゃ! こんな似非英雄に渇仰して、とんでもないことをしてしまったものだ」

独り嘆じるが如く、うそぶいた。

曹操は、眉をひそめた。――変なことをいう漢かなといぶかったのであろう。急に怒る色もなく、

「敵国の参謀たるものが、単身、しかも漁翁に身を変えて、これへ来る以上、その真意を糺すは、当然であろう。なぜ、それについて、しかと答えぬか」

「さればよ! 丞相。これに来る以上、それがしとても、命がけでなくては能わぬ。然るに、血迷うて何しにきたかなどと、決死の者に対して、揶揄するような言を弄さるるゆえ、思いつめてきた張合いも抜け、思わず思うまま嘆息したのじゃ」