Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
故に、それがしこの陣にあって、先頃から曹操の許へ、ひそかに往来ある呉人の様子をうかがって、ははあ、さてはと、独り心のうちでうなずいてはいたが、誰にも、その裏に裏のあることは語らずにいたのです」
と、初めて本心を打ち明け、統の驚きをなだめたが、さて困ったように、その後で相談した。
「……ですから、拙者は、何も知らない顔をしているが、やがて貴兄が呉へかえって、連環の計、火攻めの計など、一挙にその功を挙ぐるにいたれば、当然、かくいう徐庶が、魏の陣中にあって、焼き殺されてしまう。何とか、これを未然に遁れる工夫はないものでしょうか」
「それはいと易いことだ」と、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は、耳に口をよせて、何事かささやいた。
「なるほど、名案!」
徐庶は、手をうった。それを機に、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は舟へとび乗る。――かくて二人は、人知れず、水と陸とに、別れ去った。
程なく、曹操の陣中に、誰からともなく、こういう風説が立ち始めた。それは、
「西涼の馬超が、韓遂と共に、大軍を催して、叛旗をひるがえした。都の留守をうかがって、今や刻々、許都をさして進撃している……」