Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
夕星の光が白く空にけむる。いつか夜は更けかけていた。孔明はひとたび壇を降りて、油幕のうちに休息し、そのあいだに、祭官、護衛の士卒などにも、
「かわるがわる飯を喫し、しばし休め」と、ゆるした。
初更からふたたび壇にのぼり、夜を徹して孔明は「行」にかかった。けれど深夜の空は冷々と死せるが如く、何の兆もあらわれて来ない。
一方、魯粛は周瑜に報じて、万端の手筈をうながし、呉主孫権にも、事の次第を早馬で告げ、もし今にも、孔明の祈りの験しがあらわれて、望むところの東南の風が吹いてきたら、直ちに、総攻撃へ移ろうと待機していた。
また、そうした表面的なうごきの陰には、例の黄蓋が、かねての計画どおり、二十余艘の兵船快舟を用意して、内に乾し草枯れ柴を満載し、硫黄、焔硝を下にかくし、それを青布の幕ですっかり蔽って、水上の進退に馴れた精兵三百余を各船にわかち載せ、
「大都督の命令一下に」
と、ひそやかに待ち構えていた。
もちろんこの一船隊は、初めから秘密に計を抱いているので、そこでは黄蓋と同心の甘寧、沢などが、敵の諜者たる蔡和、蔡仲を巧みにとらえて、わざと酒を酌み、遊惰の風を見せ、そしていかにもまことしやかに、