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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

「いまはただ夜を待つばかりにて候う」と、報じた。

かくて、刻々と、暮色は濃くなり、長江の波音もただならず、暖風しきりに北へ吹いて、飛雲団々、天地は不気味な形相を呈していた。

×     ×     ×

ここに夏口の玄徳は、以来、孔明の帰るのを、一日千秋の思いで待ちわびていたところ、きのうから季節はずれな東南風が吹き出したので、かねて孔明が云いのこして行ったことばを思い出し、にわかに、趙雲子龍をやって、

「孔明を迎えて来い」

と、ゆうべその船を立たせ、今朝も望楼にあがって、今か今かと江を眺めていた。

すると、一艘の小舟が、※魚のごとくさかのぼって来た。

近づいて見ると、孔明にはあらで、江夏の劉である。

楼上に迎えて、

「何の触れもなく、どうして急に参られたか」と、問うと、劉は、

「昨夜来、物見の者どもが、下流から続々帰って来て告げることには、呉の兵船、陸兵など、東南の風が吹くとともに、物々しく色めき立ち、この風のやまぬうちに、必ず一会戦あらんということでござります。皇叔のお手もとにはまだ何らの情報も集まってまいりませんか」

「いや、夜来頻々、急を告げる報はきているが、いかんせん、呉へ参っている軍師諸葛亮の帰らぬうちは……」