Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
「旗は見えんか。――青龍の牙旗を立ててはいないか」
下からいう曹操の声だった。
船楼の上から、諸大将が、口をそろえて答えた。
「見えます、龍舌旗が」
「すべての船の帆檣に!」
「青旗のようですっ。――青龍の牙旗。まちがいはありません」
曹操は、喜色満面に、
「そうかっ。よしっ」
と、うなずいて、自身、舳のほうへ向って、希望的な大歩を移しかけた。
するとまた、そこにいた番の大将が、
「遠く、後方から来る一船団のうちの大船には、『黄』の字を印した大旗が翩翻と立ててあるように見えまする」と、告げた。
曹操は、膝を打って、
「それそれ。それこそ、黄蓋の乗っている親船だ。彼、果たして約束をたがえず、今これへ味方に来るは、まさしく、わが魏軍を天が助けるしるしである」と、いい、さらに自分の周囲へむらがって来た幕僚の諸将に向って、
「よろこべ一同。すでに呉は敗れたり。わが掌は、もはや呉を握り奪ったも同様であるぞ」と、語った。
東南風をうけて来るので、彼方の機船隊が近づいて来る速度は驚くほど迅かった。すでに団々たる艨艟は眼のまえにあった。――と、ふいに異様な声を出したのは程※(「日/立」