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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

肉体を酷使していた。馬も兵も飢えつかれて如何とも動けなくなってきた。――曹操自身も心身混沌たるものを覚える。

「やすめっ。――休もう」

下知をくだすや否、彼は馬を降りた。そして、先に部落から掠奪して来た食糧を一ヵ所に集め、柴を積んで焚火とし、士卒たちは、の鉢や銅鑼を鍋に利用して穀類を炊いだり鶏を焼いたりし始めた。

「ああ、やっとこれで、すこし人心地がついた」と、将士はゆうべからの濡れ鼠な肌着や戦袍を火に乾している。曹操もまた暖を取って後、林の下へ行って坐っていた。

憮然たる面持で、彼は、天を凝視していたが、何を感じたか、

「ははは。あははは」

と、独りで笑いだした。

諸将は、何か、ぎょッとしたように、彼へ向って云った。

「さきにも丞相は、大いにお笑いになって、まさか、そのためでもありますまいが、趙雲子龍の追手を引き出しました。今また、何をそうお笑いになるのですか」

曹操は、なお、笑っていう。

「孔明、周瑜、共に大将の才はあるが、まだ智謀の足らぬのを予は嘲うのだ。もし曹操が敵ならば、ここに一手の勢を伏せ――逸ヲ以テ労ヲ待ツ――の計をほどこすであろうに、さてさて抜かったり」