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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

けれど、関羽は、折角、振りかぶった大青龍刀を、なぜか、敵の頭に下さなかった。

そして、

「あら無残。早々、馬を乗り代えて、快く勝負を決せられよ」といった。

黄忠は、馬と一緒に、地上に転んでいたのである。何かにつまずいて彼の乗馬が前脚を挫き折ってしまったためだった。

しかし、乗り代える馬もないので黄忠は味方の歩兵にまじって、危うくも、城壁の内へ駈けこんだ。この間にも、追えば追いつけるものを、関羽は彼方へ引っ返してしまった。

太守韓玄は、冷や汗をながしていたらしく、黄忠を見ると、すぐいった。

「きょうの不覚は、馬の不覚。汝の弓は、百度放って、百度あたる。明日は、関羽を橋のあたりまでおびき寄せ、手練の矢をもって、彼奴を射止めて見せてくれ」

と励まし、自分の乗馬の蘆毛を与えた。

夜が明けると、関羽はまた、手勢わずか五百ばかりだが、勇敢に城下へ迫って来た。

黄忠は、きょうも陣頭に姿をあらわし、関羽と激闘を交えたが、やがて昨日のように逃げ出した。そして橋の辺まで来ると、振りかえって弓の弦をぶんと鳴らした。関羽は身をすぼめたが、矢はこなかった。

橋を越えると、黄忠はまた、弓を引きしぼった。