Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、いや」

呂範は大きく手を振った。

「年の近いとか少ないとか、そんな数合わせみたいな問題ではありませんよ。これは結婚です。しかも二つの国の平和に関わる問題です。呉侯も実に大事をとっておられ、母公のお案じも、呉妹君のお望みも、一通りなものでないことは、くどくど申すまでもありません。……まげてもひとつ、皇叔のご来遊を願って、この祝い事を成功させたい所以は、誰よりも呉妹君に実はご希望があるわけなのです。……というのは、あのお妹君は、女性におわしながら、志は男子より高く、日頃より、天下の英雄にあらずんばわが夫とはせじ――と仰っしゃっている程ですから、以てお察しがつきましょう。いま、皇叔をもって、あの女性と配せば、それこそいわゆる――淑女ヲ以テ君子ニ配ス――という古語のとおりになると思うのです。ともあれ、ぜひいちど、呉の都へお遊びにお出まし下さいませんか」

呂範はさすがこの使いに選ばれただけの才弁であった。

この日、孔明は、そこに顔を見せず、次室の屏風の陰にいて、じっと、主客のはなしを聞いていた。彼の几の上には、いまたてた易占の算木が、吉か凶か、卦面の変爻を示していた。