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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

嘘と思し召すならば、街へ人をやってごらんなさい」

呉夫人は、まだ信じない顔で、家士の一名に、城下の見聞をいいつけた。

その者は、街を見て帰ると、すぐ呉夫人の前へ来て語った。

「なるほど、大変に賑やかです。河口には十艘の美船が着き、玄徳の随員だの、五百の兵士は、物珍しげに、市中を見物して歩きながら、豚、酒、土産物の種々など、しきりに買物しながら、わが主劉皇叔には、この度、呉侯のお妹姫と婚礼を挙げるのじゃと、彼方此方で自慢半分にしゃべったものですから、ご城下ではもう慶祝気分で寄るとさわるとそのお噂ですよ」

呉夫人は、哭き出した。

たちまち彼女は、わが子の呉侯孫権のいる閣へと、顔を袖でおおったまま走って行った。

「母公、どうなさいましたか」

「おお権か。いかに老いても、わらわは御身の母ですぞ」

「何を仰っしゃいます、今さら」

「それ程、親を親と思うなら、なぜわらわに無断で、女子の大事な生涯を決めました」

「わけが分りません。なんのことですか、いったい」

「それその通り、わらわを偽こうとするではないか。汝の妹にせよ、彼女はわらわの子。玄徳へ嫁がすことなどいつ許しましたか」