Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

「もとよりです。武門の御身として、この期に、未練がましいことあっては、生涯人中に面は出せません」

「よくいうてくれた。戦場に臨むからにはいつ討死を遂げるやもしれん。そなたともまた再会は期し難い。長春数旬の和楽、それも短い一夢になった」

「なぜそのような不吉を仰せ出されますか、夫婦の契りはそのように儚いものではありますまい。また短いものとも思いません。生ける限りは――いえいえ九泉の下までも」

「さは云え、別れねばならぬ身をどうしよう」

「わたしも共に参りまする」

「えっ、荊州へ」

「当然ではございませんか」

「呉侯が許すまい。母公も決して許されまいが」

「兄に知れたら大変でしょう。けれど母には別に説く途があります。必ずお心を苦しめ給うには及びません」

「どうしてこの呉城の門を出るか」

「もう今年も暮れます。元日の晨までお待ち遊ばせ。わたくしはその前に老母の許へ行って告げましょう。元日の朝、朝賀のため、江のほとりに出て、先祖をお祀りして参りますと――。母は信心家ですからそういうことをするのは大変歓びます」

「なるほど、それは名案だが、そなたはなお、それから先の途上の艱苦や、戦乱の他国へ行っても、後に呉を離れたことを悔いたり悲しんだりしないでいられるだろうか」