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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

などと云いはじめた。

馬騰は警戒していた。あぶない口車と感じたからである。すると黄奎は、その卑怯を叱るように眦をあげ唇をかんで、

「自分の父の黄は、むかし李郭が乱をなした時、禁門を守護して果てた忠臣です。その忠臣の子がいまは、心にもなく、僭上な奸賊の権門に屈して、その禄を食んでいるとは実になさけない。しかし、将軍のごときは、西涼州の地盤と精猛な兵を多く持っているのに、何だって不忠な奸雄に頤で使われて甘んじておらるるのか」

と、まるで馬騰を責めるような口ぶりになってきた。

馬騰はいよいよ空とぼけて、

「奸賊の、不忠のと、それはそも、誰のことをいわれるのか」

「もちろん曹操のことだ」

「大きな声を召さるな。丞相は足下の主君ではないか」

「それがしは漢の名将の子、将軍も漢朝の忠臣馬援が後胤ではないか。そのふたりが漢朝の宗室たる劉玄徳を伐ちに向われるか。しかも逆臣の命に頤使されて」

「いったい、足下はそのような言を本気でいうのか」

「ああ、残念。将軍はそれがしの心底をなお疑っておられるとみえる」

黄奎は指を咬んで血をそそぎ、天も照覧あれと盟した。

行軍参謀たるこの人物が同心ならば、いよいよ事は成就に近い。