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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

春香はまだ世間の怖さも複雑さも知らなかった。いわるるままその夜叔父の心をそれとなく訊いてみた。すると黄奎は驚いた顔して、

「わしの様子がどことなく変だということが、おまえみたいな小娘にもわかるかい。ああ争われないものだ」

彼は嘆息して、実は大事を計画しているため、その準備やら万一のことまで案じているせいだろうと、つい相手が身内の者ではあり、世間へも出ない小娘なので、心中の秘を語ってしまった。

そしてなお、

「このことが成功すれば、わしは一躍、諸侯の列に入るが、もし失敗したらたちまち生きていないだろう。そうしたらおまえは、何もかも捨てて郷里の老人達のところへ逃げて、当分、嫁にもゆかないがいい」と、遺言めいたことまでいった。

室外に立ち聞きしていた男は、春香がそこから出てきたときはもういなかった。彼は深夜の町を風の如く奔っている。そして丞相府の門を叩いた。

「たいへんです。お膝もとに恐ろしいことを計っている謀叛人がおりますっ」

下役から部長へ、部長から中堂司へ、次々に伝申されて、深更ながら曹操の耳にまで入った。

「すぐその者を聴問閣の下へひけ」

曹操はがばと起きた。