Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
……花にも人間にも、盛衰はある、春秋は拒まれぬ」
果たして、曹操には、もうそのような老いが訪れだしたのだろうか。
凡人の客観と、英雄自身の主観とにはおのずから隔たりもあり、信念のちがいもある。
われ老いたり、などとは曹操自身、まだ、夢にも思っていないらしい。いやその肉体や精神のつかれ方などに、若い頃の自身とくらべて、多分な相違が自覚されても、おそらく、彼自身そんな気持がふとでも湧くときは、強いてそれを抑圧して、
我なお若し!
という血色をみなぎらそうと努めているのにちがいなかった。
数日の後、味方の斥候がこう告げた。
「潼関の馬超軍に、またまた、新手の敵兵が、約二万も増強されたようです。しかも今度の新手もことごとく北の精猛な胡夷ばかりです」
聞くと、曹操は、なぜか独り大いに笑った。
「丞相何でお笑いなさるのですか。敵が強力になったと聞かれて」
ひとりが問うと、
「まず、酒宴して、祝おうか」と、のみで、その夕べ、大いに慶賀して、共に盃を傾けた。
しかし、今度は、幕将たちのほうがくすくす笑った。
曹操は酔眼を向けて、
「卿らは、予が、馬超を討つ計がないのを笑うのであろう」