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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふふん、そう云えば聞こえがよいが、貴様は伯父の留守を幸いに、お延を口説きに忍んで来たのであろう」

「何だと、そりゃてめえのことだろう」

洞門は小六がお延に云い寄ったことのある事実を知っていた。小六は洞門の横恋慕を察知していた。二人は怖ろしい嫉妬の燃え上がった眼を睨み合せた。

「お延はこの部屋にはいないぞ、洞門、貴様どこかへ隠したな」

「何? いないことがあるものか。詰らねえ嘘を云うと、てめえの腹の底が知れるぞ」

「白を切るな。どこへ隠した」

「何ッ」

と権右衛門は、小六の血相が真剣なので、部屋の中へ入ってみると、お延の姿はどこにも見えない。そればかりか、取り散らかした小道具の中の目ぼしい物はみんな失くなっている。――権右衛門は小六をジッと横目で睨んで一途に彼を疑った。

「やい小六、てめえお延を逃がしたな」

「何を云うのだ。こうなりゃ拙者の本心も聞かしてやるが、伯父の留守を幸いに、お延を連れてこの山を逃げ出すつもりに違いなかったが、いくら探しても影も形も見えないのだ。貴様が隠したに相違ない、お延を拙者に渡してしまえ」

「飛んでもねえことを吐かすな、留守を預かる権右衛門だ。