Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

「さもなくば何としやる気? ――」

「おや、この女め、怖ろしい権式を持ちゃあがッて、こうするんだッ」

飛びかかって紅緒の笠べりをバリッと掴むと、女は下からポンと小手を払って、あッと見る間に腰をすくって、大の男をもんどり打たせた。

「うぬッ、洒落たまねをッ――」

続いて唸り込んだ三本の息杖、カラリッと虚空に鳴ったのは女の杖に弾き返された一本が、クルリと宙に舞って飛んだのだ。

「あ痛ッ」

眉間を押えて一人が倒れると、その上へまた見ぎたなく投げられた荒くれ男。立ち上がったが意外な手練に度胆をぬかれて、

「畜生、覚えていやがれ!」

と、捨て科白を言い残して一目散に逃げ出した。

「ホホホホホホ、これで雲助どもを揶揄うたのは、今度の旅で三度目じゃ」

年下の方を振り顧って、動悸もさせずに笑ったのは、むしろ艶やかというよりは凄い女。――でも少しほつれた鬢の毛を梳き上げるため、日除笠の緒を解いたのを見ると、これなん、菖蒲の寮の光子の御方。

連れはと見ると、意外にも、千浪であった。

松平忠房の下屋敷を最後として、皆ちりぢりになってから早くも三年の月日が過ぎている今。千浪も虚無僧当時の乙女でなく、御方も早や三十路に近い色香の薄らぎ。