Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
「しかし、どこか夜露を防ぐところだけは目つけたいものでござるな」
と二人の声が間近になるまで、充分ためていた洞門の権右衛門はそれへ跳り出して、
「やい、用があるからしばらく待て」
と立塞がった。
「何じゃ、何者じゃ、そのほうは?」
「何者でもねえ、この斑鳩嶽に、その人ありと知られた雨龍の一族、洞門の権右衛門だ。よくも最前は埴生の里で一門の者を手にかけたな」
「おお、良家の娘を誘拐そうとする理不尽な奴、それを、斬り捨てたが何と致した」
と戸川志摩は怯む色もなく云い返した。権右衛門は青筋立てて、
「おのれ云わしておけば好きな囈言、さあ、俺等の一族に指でも指した奴は、嬲り殺しにするのが雨龍一族の掟だ。引ッからめて頭領のところへ吊して行くから観念しろよ」
「だまれッ、罪を裁くは、領主の司権じゃ。汝等如き鼠賊が掟呼ばわりは片腹いたい」
「斑鳩嶽一帯は雨龍の領土も同然、この山中に踏み込んで要なき繰り言だ。それッ」
と、洞門が片手を挙げて合図をすると、潜んでいた数十名の手下が、ばらばらと二人の前後を取り囲んだ。
「新九郎殿ッ、ぬかり給うな」
志摩は叫んで、仕込みの一刀、真一文字に振りかざしてどッとその中へ斬り込んだ。