Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme
と書いてあるのだが、その病気がどんな病気か彼女には見当がつかぬ。たずねてみようと思つたけれども、彼はうと/\しているらしく、熱もかなりある様子なので、しばらくそつとしておくことにする。
そのうちに、看護婦が二人、あわたゞしくはいつて来て、
「尾関さん、すぐに手術ですつて……歩けるでせう?」
尾関は眼をあける。
「歩けるさ。それじや、お客さんは帰つてもらおうか。一二週間で退院するから、そうしたらまた遊びに行くよ」
あわてゝ座をたつた北原ミユキは、手術と聞いてすこし驚いた。
「なんだかへんだわ。いつたい、手術つて、どこを手術なさるの?」
が、彼女が、それを口に出すといつしよに、二人の看護婦は、顔を見合わせて、くすッと笑つた。
「別にかくす必要もないから、言うがね。ぼくは不潔な病気をしよいこんだんだよ。君が、ほら、そんないやな顔をするのは無理はないさ。しかし、事実はこの通り。わかつたら、早く引きあげたまえ」
あつさり尾関にそう出られて、彼女は、なんとあいさつのしようもなく、そのまゝ、振り向きもせず病室を出るには出たが、なにか、ガンと打ちのめされたような気持で、たゞ人に顔をみられるのがいやだつた。